2022.03.29
シリーズ最終となりました。
最後は手すりの種類と選定基準です。
住環境を整えるにあたり、手すりの設置は必須の対応といえます。
全てを改修工事で済ませられるのであれば安心・安全なのですが、賃貸や家族の都合で難しいケースも多くあります。
住環境における手すりの設置については「購入」・「レンタル」・「改修工事」があります。
今回は、使い勝手の良い「レンタル」に焦点を当ててお伝えいたします。
実費、介護保険適応問わず、手すりのレンタルはどなたでもご利用いただけるサービスです。
その種類は様々で、製品固有の条件を満たせれば安全に使用できます。
そして、改修工事と違い、「空間」に設置できることもレンタル製品の利点です。
それではその種類をご紹介してまいります。
【置き型手すり】
床設置型の手すりになります。
ベースとなる鉄板の重量で支え、単体で使用できるものやベッドなどの下に敷きこんで使用するものなどがあります。
その重量は屋内用のもので13㎏~22㎏、屋外用になれば最大50㎏超えと非常に重いため、一度設置すると移動させるのが大変になります。
【突っ張り型手すり】
文字通り、突っ張って設置する手すりです。
置き型の横手すりと違い、縦型になりますので段差昇降や旋回動作において安定性と負担軽減が見込めます。
また、突っ張り型手すりを連結しH型に作ることも可能なので改修工事に近いデザインで整備することが可能です。
設置において、天井と床の強度が求められますので設置したい場所次第では取付困難となります。
【フレーム型手すり】
便器特化型の手すりになります。
各社さまざまな取り付け方で便器に固定し、立ち座りの動作補助が見込める商品を造られています。
肘掛けが可動できるものも多く、車いす移乗時も動作がとりやすいです。
選定基準については、身体面の特徴に応じて考えます。
【立ち座り支援】押す動作、引く動作どちらが得意か?
【段差昇降】麻痺の残存はあるか?(片手すり・両手すりの判断)
【旋回動作】性別や体格(種類の検討)
日常生活での我々の動作は主に上記の3つです。
そこに焦点を当て、筋力や障害の程度、住環境と家族関係を総合的に判断材料として選定・提案します。
いかがでしたか?
加齢や病気の進行など身体状況が変化していく中で、その都度最良の環境が整えられるのがレンタルの魅力です。
また、「手すり改修工事を検討しているが本当にこの位置でいいのか?」など確認する理由でレンタルを提案・利用される方も多くいらっしゃいます。
手軽に利用できる手すりレンタル、使い方次第で幅広く応用できます。
さて、この更新で今年度は最後になります。
新年度からはこれまで通り、新商品や暖レンタルサービスがオススメする商品をご紹介していきます!
今後も変わらずご覧いただけることを願っております♪
最後までご覧いただき、ありがとうございました!!!
2022.03.15
自宅トイレまでの移動が間に合わない。
夜間のトイレ頻度が多く、転倒の危険がある。
そんな時に使用する便利な福祉用具「ポータブルトイレ」
ポータブルトイレには数多くの種類があり、生活環境と身体状況に応じて選定、提案しています。
ポータブルトイレの種類
ポータブルトイレの素材は主に「木製」と「プラスチック製」の2種類があります。
【木製】
本体重量があり、安定性が高く移乗動作時の支えとして信頼できます。また、見た目も家具調であるため寝室に設置する場合など受け入れやすいです。
短所としてはプラスチック製と比べると高価で、かつ汚染時にお手入れがしにくいです。
【プラスチック製】
本体重量が軽量で持ち運びがしやすく、購入時の価格も比較的安価です。
短所としては安定性に欠けるため片側に荷重を掛け過ぎると転倒の恐れがあります。
機能面の種類についても下記の通りです。
【ソフト便座】
便座が柔らかい材質となっているので、長時間の座位や痩せている方など骨突出がある場合にお尻が痛くなりにくく最適です。
【暖房便座】
名の通りの機能性です。冬季など、冷たい便座に腰掛けるのが不快で億劫になったり、血圧の急変動によるヒートショックを予防するために役立つ機能です。
【脱臭機能】
便座フタを開けてから閉めた後約10分後まで脱臭機が吸い続け、無臭の空気をトイレ下から吐き出す仕組みです。
ポータブルトイレを使用される方の殆どが日常的に服薬をされています。その場合、尿臭・便臭が強く夜間利用など長時間リフレッシュできない状況では部屋に籠りやすくなります。
最近の消臭機能は非常に優秀でメーカー精度で99%以上の効果が見込めます。
これ以外に個性の強い機能を有するものがあります。
【シャワー洗浄機能】
俗に言うウォシュレットです。自身で排泄後のお尻拭きが困難な方や便秘気味で肛門を刺激する必要のある方におすすめの機能です。
短所として、高額で限度額の10万円を超えるため自費負担額に覚悟が必要です。また、本体タンクに注水する必要があり通常よりひと手間増えます。
【自動ラップ処理機能】
通常、ポータブルトイレの処理は便座下のバケツを取り出し、自宅トイレに廃棄します。老々介護の場合や自身が処理する場合などバケツ移動中にこぼしてしまうリスクがあり負担になるケースを多く見かけます。
ラップ処理はバケツではなく袋になっており吸水チップを入れておくことでボタン一つで排泄物をラッピングしトイレ下部に落とされます。
落ちている袋を自治体の「燃えるゴミ」の日に出して処理します。
一見便利そうに見えてラップのセッティングやチップの在庫管理など介護者が必要と考えられるポータブルトイレです。価格も高額で、ほとんどが限度額を軽く超えてきます。
選定基準については「生活環境」と「身体状況」を基に考えます。
【生活環境】
・どの時間帯で使用するのか?
・車いすとの併用になるか?
・生活動線の邪魔にならないサイズにする
・排せつ物の処理は誰が、いつ、どれくらいの頻度で行うのか?
【身体状況】
・身体に麻痺など残存しているか?
・立ち座りや身体を回す動作がどれだけ安定しているか?
・ご本人が抱える病気などの既往
・認知機能の程度
これらを情報として選定し、提案します。
もちろん、今現在だけでなく近い将来像まで考え想像し納得のいく洗濯をしていただいています。
ポータブルトイレは介護保険購入対象となっています。
要介護認定をお持ちの方であれば要支援1から要介護5の方まで、負担割合に応じた自己負担額にてご購入いただけます。
1年度間に限度額は10万円(税込)となっています。
しかし、翌年度は買い直せるのかというと簡単ではありません。
だからこそ、長期にわたって安心して利用可能なポータブルトイレを購入する必要があります。
ご検討の際にはぜひ暖レンタルサービスにお声掛けいただき、おススメできる商品を選定・提案させていただきます。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました!!!
2022.03.01
浴槽またぎや浴槽内での立ち座りを安全に行うためのツール「浴槽台」
疾患や筋力低下によりまたぎ動作が困難で、浴槽内での立ち座りも困難となっている場合に使用します。
それはどんなものでしょう?
浴槽台の種類は「吸盤」「自重」のタイプで大きく分かれ、それぞれ長所短所が存在します。
・吸盤タイプ
本体重量が1.9㎏と軽量です。利用される高齢者の方が自身で設置する、また設置する方に力が無い場合に選定します。軽さがメリットである反面、お湯を張る前に吸盤を吸い付かせる必要があり一度外す(外れる)と元には戻せません。
・自重タイプ
本体重量は平均して3.0㎏です。重たい分自重で沈みますのでお湯を張った後でも設置可能です。浴槽跨ぎの時だけ使用し、湯につかるときには取り外して肩まで浸かるなど、一部だけの利用にも向いています。
次はサイズです。浴槽の素材や種類によってその内寸は様々です。
選定の際は内寸に極力近いサイズを提案・推奨します。
標準サイズで約40㎝、ミドルサイズで約36㎝、ミニサイズで約30㎝程度になります。
ステンレス浴槽などは標準サイズが多く、最近主流であるユニットバスはミドルサイズがフィットします。
ミニサイズは小型浴槽を使用している団地や単身者用アパートなどで多く提案します。
このサイズ合わせが重要なポイントで、浴槽内壁との間に隙間が出来ると踏み外したり浴槽台が動いてしまったりで怪我の危険性が高まります。
浴槽台の天板にも2種類あります。
「すべり止めシートタイプ」と「柔らかクッションタイプ」です。
浴槽跨ぎ時のみ使用する場合は「すべり止めシートタイプ」、
立ち座りも併用する場合は「柔らかクッションタイプ」を提案しています。
しかし、こればっかりは最終的に好みで分けられます。
最後に、色も大事な選択材料です。
浴槽と同じ(似ている)色の浴槽台では、高齢者の色覚には同じ色に見えやすく、認識しにくくなります。
ご利用者の見え方に注意し、はっきりとした色分けをすることも重要です。
いかがでしたか?
浴槽台の使用に関しては正直、好き嫌いが大きく分かれます。
「出し入れが面倒」
「肩まで浸かりたい」
など受け入れが難しいお客様も多くいらっしゃいます。
入浴は体温、血圧、心拍が大きく変動し、その日の体調によっては危険な事故に繋がります。
必要性とご本人の気持ちがマッチして初めて活用できる福祉用具なので、慎重に選ぶ必要があります。
暖レンタルサービスではデモ器を取り揃えております。
ご検討の際には気軽にお申し付けください。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました!!!
2022.02.15
在宅での事故NO.1である浴室…
床が滑る、血圧変動、掴まり所が無いなど事故理由は様々です。
今回はそんな中で洗い場で使用する入浴用いす(シャワーチェア)について書いていきます。
基本的に介護・福祉用の入浴用いすは座面の高さが調節できます。
その高さは32~45㎝まで可能なものが殆どで、身長問わず立ち座りのしやすい高さに調整できます。
種類については様々あり、背もたれ・ひじ掛けの有無や全体の幅(ワイド・ミドル・コンパクト)、折りたたみ機能の有無まで多様に存在します。
今回はその中で主流とされている種類を中心に取り上げます。
☆ひじ掛け付折りたたみシャワーベンチ
肘掛けが利用できるという面で立ち座り動作がしやすいです。
また、折りたたみの機能により浴室の出入りに対し邪魔になりません。
選定基準としては、洗い場に掴まり所が無く下肢筋力の低下が著しい方。
また介助による入浴を受けており、洗い場も広くない環境である場合に選定します。アパートやマンションでの利用が多いです。
☆背もたれのみ折りたたみシャワーベンチ
自分で洗身動作を行うにあたり、動きを妨げるものがありません。
また、折りたたみの機能により浴室の出入りに対し邪魔になりません。
選定基準として、ある程度は自身で立ち座りや洗身行為が出来る方。
また、洗い場も広くない環境である場合に選定します。これもアパートやマンションでの利用が多いです。
☆背もたれ付シャワーベンチ
折りたたみができないかわりに、軽量に造られているものが多いです。
折りたたみ式と比べ脚がハノ字になっていることで安定感は抜群です。
ユニットバスの普及に伴い、洗い場の広さが限られるため選定に至るケースは少なくなってきました。
選定基準として、終始一人で入浴動作を行う方。また、下肢筋力の低下及び体幹バランスの低下がみられる方。
他には血圧の変動が激しい方など、要はふらつき易い方に選定します。
いかがでしたか?
入浴用いすの存在もご存じでない方がまだまだ多くいらっしゃいます。
もちろん、要介護認定を受けられれば非該当でない限り1割~3割の費用負担で購入できることも。。。
身近な方にそんな方がいた場合には、暖レンタルサービスをご紹介ください。わかりやすく説明と提案をさせていただきます。
事故リスクが高いからこそ、念には念をの考えで環境を整えていただきたいと願っております。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました!!!
2022.02.01
ひとことに杖といっても種類は様々で、今回は代表的な4種を紹介していきます。
実はこの記事、2回目の作成です。つい先ほどアップ直前でエラーを起こしてしまい水の泡になってしまいました…(´;ω;`)
気落ちしている場合ではありません!
さぁいきましょう!!
●1本杖
杖と聞くと頭に浮かぶのが1本杖だと思います。
実際にもっとも普及しているタイプの杖で、グリップ、シャフトともに様々な素材と柄(デザイン)で作られており、現在では靴と同じようにファッションの一部として選ばれています。
1本杖の使用に適した状態像は、 自立歩行のできる方で杖があれば長距離でも安定して歩行できる方になります。
●ロフストランドクラッチ
あまり見かけることのないタイプの杖です。
前腕を通す輪っかとハンドグリップの2点で支えて使います。
片手、両手ともに身体状況によって使え、体重の50%~80%の荷重をかけることができます。
ロフストランドクラッチの使用に適した状態像は握力が弱く、手首の関節可動に制限のある方になります。また、松葉杖では肩関節にリスクのある場合なども条件になります。
●松葉杖
なぜ松葉杖と呼ぶのか気になったことありませんか?(私だけでしょうか…笑)
Wikipediaなどで調べてみたところ、脇当てを除いた形状が松の葉に似ているからだそうです。
松葉杖は今回取り上げた杖の中でもっとも荷重がかけられるタイプで、体重の80%まで載せることができます。
松葉杖の使用に適した状態像はまさに「脚への荷重を極力抜いて歩行したい方」になります。
注意点として、大きく体重を載せて使うものなので平地歩行だけでなく段差昇降など正しい使い方が求められます。
比較的上半身に筋力があり、体幹のバランスも問題ない方が条件となりますので高齢者には不向きである場合が多いです。
●四点杖
最近では少しずつ普及し始め、病院やデイサービスなどで見かけることが多くなりました。
四点杖は脚が4点に別れており、一本杖よりも着地面積が広く安定します。しかし4点が接地しなければ安定しないため、室内での使用に適しています。
ほとんどの四点杖は床面に対して垂直に着く必要があり、1本杖の使用に慣れた方では扱いにくさを感じられることも多いようです。
ここ数年の間に脚部が可動できるものが取り扱われるようになり、多少斜めに着いても4つの足が着地するようになっています。
四点杖の使用に適した状態像は、自立した歩行は困難だが杖を掴む半身の握力など筋力と関節可動に制限のない方となります。
脳血管疾患により半身まひの後遺症がある方の多くは適していると思います。
いかがでしたか?
「杖が欲しい。でも何を選んでいいかわからない。」という方が周りにいらっしゃれば、ぜひ暖レンタルサービスをご紹介ください。
誰に相談していいかわからないと悩んだ末、自己判断で購入されている方を多く見かけます。
安全かつ快適に日常生活が送れるよう、私たちがお手伝いさせていただきます♪
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました!!!